展示準備に没頭していて、しばらく実家に連絡を入れていなかった。
「打撲の夜の数時間、足が着けず、トイレに行くのもやっとのことで
お父さんの辛さがちょっとわかったよ。」と話をしようと思って、電話した。
「変わりない?」
「・・・・・・・。心配かけるから言わなかったけど、変わりあったよ。」と母。
金曜日のデイの日、出がけにトイレに行きたくなった父が焦って
車椅子の近くで立あがり、そのまま転倒。
母が慌てて支えようとして、軽いぎっくり腰状態に。
動けたものの、腰に力が入らず父を起き上がらせる事ができない。
仕方なし父は、横たわったままデイの迎えを待つ。ヘルパーさんに助けてもらったと言う。
父はそのままデイに行って、担当医に打撲や怪我が無いか診てもらい、大丈夫だった。
こういう事が起こる。やっぱり、連絡をさぼってはいけない。
母が、結構疲れている。私の打撲ネタも披露して、翌日実家へ様子を見に行く。
急に行ったら、母がとても嬉しそうな表情をした。
父はどこも痛みはないらしく、ニコニコしていた。
母は、目が大きい。何だか怯えた猛禽の雛みたいな
顔つきになって来た。父との会話が成立しにくく、この頃は指さしが多くなり、
それがとてもストレスになるらしい。つい「何!?」と聞き返す時
母の大きな目が、父には怒っているように思えて「もう、結構です。」とか
言われるも辛いらしい。
母はずっと優しいまま変わらないと思いこんでいた。大きな病気で脳にダメージも受けて
手術もしている。実年齢より負担は大きいのだろう。父が脳梗塞で倒れて以来
母に任せきりだった。もう少しまめに連絡したり、出かければ良かった。
老夫婦の二人暮らしはやっぱり不安が多い。しかも、今回は父は歩けなくて、右手も使えない。
デイに行く日も迎えが来るまでは、結構二人で緊張するらしい。
やっぱりできる限り通った方がよさそうだ。この年齢になって両親が揃っている事は
ありがたい事だから。
妹達と電話当番を決めた。母は自分からは電話をかけて来ない。
電話もメールもあまり好きではない。一度に5人から電話かかっても
うっとうしいだろうから、分担にした。この時、父とも話をするといいかな。
母の話は、愚痴が多くなって来た。友達の事、自分の姉兄の事。
ずっと昔のパート仲間の事。父の事。もっと楽しい話ができる状態にしてあげなければ。
少しずつ、母の情緒面が変わって来た事に気づいてしまった。
「あれ?」と思う発言に悲しい気持ちになる。私は元気で、とびきり綺麗で器用で
小言も言わず、文句もいじわるも言わない母が自慢だった。そして、きっと素敵な
おばあさんになると思っていた。ずっと気持ちが落ち着かなくて不満や不安が
あったのだろう。口に出さないから溜まってしまったのだろう。申し訳なく思う。
もっと気にかけていないといけない。少しの綻びのうちに娘の私たちで繕おう。